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「お世話になったから麻生氏を支持する」・・・森元首相発言への反応 - 噛みつき評論 ブログ版

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『自民党町村派の最高顧問、森喜朗元首相は8日夕、同派の臨時総会で「自分は麻生さんをやる。麻生さんには大変お世話になったことは忘れてはいけない」と表明し、自民党総裁選で麻生太郎幹事長を支持するよう呼びかけた』(9/8 NIKKEI NETより)

 世話になった人の恩を忘れないというお気持はたいへん立派ではありますが、麻生氏を総裁に推される理由としては少々違和感があります。個人的な、あるいはごく内輪の場での発言ならともかく、全国に報道される公の場での発言となると、推薦は総裁にふさわしい人物かどうかという観点だけから行われるべきでしょう。

 首相を選ぶのは与党の議員と党員であり、国民は議員を選ぶことで間接的に関与できる仕組みです。この仕組みの長所のひとつは議員という政治の玄人が首相を選ぶために、人気や感情にあまり左右されず、適任者が選出されることです。最適な人物を選ぶという仕事を国民から委託されているわけですから、私情や派閥の事情に影響されるべきではありません。それは理想であり、難しいことと思いますが、こうも正直に公言されると、建前を正面から否定することになります。

 現在、この発言に対する反応は見られませんが、私にはその方が気になります。キングメーカーとも言われた、総裁選びに強い影響力のある元首相の公的な場での発言だけにメディアが何の反応も示さないことに疑問を感じます。発言は思わず本音が漏れたものだと想像しますが、メディアの無反応はメディア全体の見識に関わるもので、こちらの方が重要です。

 政治部の記者らは永年政治の世界に入り浸りであるため、その世界の力学にすっかり慣れてしまい、私的な関係を公的な部分に持ち込むことに対して違和感を持たなくなっているのではないでしょうか。政治家と記者とは持ちつ持たれつの関係とも言われます。一種のインナーサークルを形成し、外部世界とは異なる見識を持つに至ったという解釈も可能です。

 どんな世界でも理想通り、建前通りにはいかないということはわかります。しかし、世話になったから支持するということは情実による支持の表明であり、それを認めるなら、前に援助(金など)を受けたから支持するといったことも否定できなくなります。それを批判せず、当然のことのようにメディアが受け止めたのであれば、メディアの感覚はおかしいと思わざるを得ません。

 あるいは殺人事件や不祥事に比べ、取り上げるほどの価値のない些細なことなのでしょうか。まあ、日本のメディアと政治の成熟度を知るのに格好の材料だと思います。

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