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業績見通しなどに定見なく過敏な反応続く=今週の東京株式市場 | Reuters

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[東京 10日 ロイター] 今週の東京株式市場で日経平均は神経質な展開が続く見通しだ。7日の米雇用統計を通過し15日の金融サミットまで大きなイベントはない。

 金融問題への根深い不安に加え2009年3月期の企業業績への見通しが定まらないなか、小さな材料や株価の動きにも過敏に反応する可能性が大きいとみられている。需給面では年末からの45日前にあたる15日に向けヘッジファンドの解約売りが警戒されるほか、14日のマイナーSQ(特別清算指数)算出に向けた動きも注目される。

 今週の日経平均株価の予想レンジは、7500円─9500円。 

 <2番底の不安抱える投資家>

 日経平均が7日に一時600円下落した理由を全面的に「トヨタ・ショック」とすることに疑問の声もある。「金融不安は解決せず、業績不安も強いなかで、多くの市場参加者が2番底があるとみている。わずかでも下がり始めると不安心理が大きくなり、われ先にと売り始めてしまう。トヨタの業績下方修正はきっかけにすぎない」(欧州系証券情報担当者)という。

 各国の積極的な政策でいったん金融不安は後退したようにみえたが、投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー(VIX)指数が再び不安定な動きをみせており、不安の根は深く残っていることを示している。「10─3月期の業績悪化を株価は織り込み始めているが、2010年3月期業績への見方が大きく分かれており定まっていない」(外資系証券ストラテジスト)ことも相場が不安定な一要因だ。

 10月米雇用統計は、非農業部門雇用者数がエコノミスト予想(20万人減)を大幅に上回る24万人減少、失業率も6.5%と14年超ぶりの高水準になったものの、ダウは5─6日の2日間で約1000ドル下落していたことから、7日の米国株式市場では「織り込み済み」(RDMフィナンシャルの首席市場アナリスト、マイケル・シェルドン氏)との声が強くなり248ドル高と反発した。

 ただ米国の雇用情勢は厳しさを増している。市場では「金融機関の雇用者減の大半がまだデータに反映されていないことを心に留めておく必要がある」(バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの通貨シニアストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏)と今後、一段と悪化するとの見方が多い。

 金融機関だけではなく一般企業の雇用情勢も悪化の度合いを強めている。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)が7日発表した第3・四半期決算は、営業損益が予想を上回る42億ドルの赤字となった。同社はホワイトカラー従業員に絡む経費を2008年に入ってから15%削減の計画を示していたが、さらに10%追加削減する方針を示した。

 また手元資金が69億ドル減少したことを明らかにし、新規の資金調達など抜本的な措置を取らなければ、2009年上半期までに事業継続に必要な資金が不足するとの見通しを明らかにした。流動性確保に向けた努力を優先するため、クライスラー買収計画は凍結するという。

 7日のシカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)は大証終値比185円高の8845円と反発しており、週明け10日の東京株式市場もいったん買い戻しが先行するとみられているが、「景気や業績などへの不安は強く、足元の景気悪化と政策期待のつなひきのなか不安定な展開が続く」(明和証券シニアマーケットアナリストの矢野正義氏)とみられている。

 <45日前ルールが接近> 

 米雇用統計が終わり大きなイベントは15日の主要20カ国・地域(G20)による金融サミットまで特にない。今週のマーケットでは13日に開かれる準備会合などで、どのような政策が明らかになるかが焦点だ。マーケットでは「新興国への資金供給策などが打ち出され、外貨準備不足などで苦しむ国のスプレッドが改善するようであれば、世界マーケット全体への好影響が期待できる」(大和証券SMBC・グローバル・プロダクト企画部部長の高橋和宏氏)との声が出ている。

 需給面では年末からみた45日前ルールにあたる15日が到来することが警戒されている。顧客からの解約請求に応じるためヘッジファンドの換金売りが出る可能性があるという。現状では「売り買いはほぼきっ抗。どちらかに傾いていることはない」(米系証券)との声が出ているが、バリューを無視するような換金売りが再び出るのかが注目される。また14日は11月限日経平均オプションの最終決済に関わる日経平均のSQ(特別清算指数)算出日であり、週内には仕掛け的な売買が出る可能性もある。

 10月第5週(10月27日—10月31日)の3市場投資主体別調査では信託銀行の売買が4040億円と大きく買い越しになり、リバランス目的の公的年金の買いが日経平均を2000円近く押し上げる大きな要因になったことを証明したが「11月第1週で一巡した」(外資系証券)との声もあり警戒が必要だ。

 (ロイター日本語ニュース 伊賀 大記記者)

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