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宮崎正弘の国際ニュース・早読み - メルマ!

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米財政赤字の累積は10兆6千億ドルから11兆3千億ドルへ
  「危機は去った」という楽観論は情報操作、危機は実際には深化している
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 米国の金融再建策が、大規模かつ大胆であったため世界的に株価が回復、一部には「危機は去った」と楽天的見通しを語るエコノミストがいる。

 ブッシュ政権は主眼として個人財産を守るためにMMF救済に財政出動、不良債権買い取りの二大支柱のひとつに位置づけた。
 ただ、このために財政赤字累積額上限を設定し、これの議会承認が必要である。休会前状態で大統領選挙本番を控える米国議会は、これを承認する模様だ。

 で、累積赤字は11兆三千億ドルになる。
米国のGDPが15兆ドルと推定されるから、対GDP比で75%。日本の累積赤字は建設国債を含めて800兆円とすると、対GDP比は145%。
 日米比較で言えば、まだ米国のほうが「健全」?

 しかし国民の金融資産比でみると日本の1500兆円の金融資産から見れば、日本政府の抱える累積債務は国民の資産の53%。反対に米国は消費優先、クレジットカードで借金している社会だから、担保がない。
 つまり、米国債は販売の25%以上を海外投資家に依存せざるを得ないのである。

 財政の巨額出動で当面の危機は乗り切るかもしれない。しかし本質に横たわる根源的なガンはさらに内部を浸食してゆくだろう。

 言ってみれば財政出動による金融機関と預金の救済は必要だろうけれども、モラルハザードの拡大であり、実質経済は悪質になる。

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(読者の声1)貴台の見通し。「日本は米国追随型だから、保有を維持するだけでも、みすみす巨額の損害をだす米国債の引き続きの保有を中断することが出来ない。まだまだ必死で紙くず化してゆくドルを守ろうとするだろう」。
とありました(貴誌2325号)。
口惜しい限りですが、貴台の見通しを否定できません。
5人の総裁候補の政見演説をテレビの音を消して画面を眺めていると、いかにもアホ面(づら)。次回の警世に満ちた解明を待たれます。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント)ドルの紙くず化を防ぐ方法は二つ。第一は金とリンクするドルの新札をだすこと。世界に流通している旧ドル紙幣は、ある日、突然、米国自らが無効を宣言する訳です。
第二はもっと大がかりな戦争をおっぱじめて勝利すること、でしょう。
いずれも「考えられないことを考える」(ハーマンカーン)という立場に立てば、あり得るかもしれず、次期政権に持ち越されるアポリアでしょう。



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(読者の声2)中国近況通信は読み応えがあります。世界経済観測も勉強になっています。私は、前々から米国は言い換えれば世界の暴力団と看做してきました。
イ・イ戦争はイラン憎しの代理戦争、計算づくでイラクに犠牲を強いた。
湾岸戦争もソ連がこけた隙を狙っての縄張り争い、アフガンも今次イラク戦争も軍産金(軍部、軍事産業、ユダヤ筋の金融機関)複合体の闇の勢力に操られたブッシュ政権8年だったことになる。

幕末期に締結した不平等条約のために長期に内政外交を縛られてきたが、戦後の日米安保条約も、言い換えれば、不平等条約に等しい。
手足を縛られ、金庫を開けられて金を出せと言われても文句も言えない日本政府、腐った牛肉を食わされ、農薬米を買わされ、他国には売るなとの条件まで付けられている。
駐留米軍に高級マンッション風の住宅まで準備し、家族ぐるみの滞在費用の80%(?)を負担し、その米兵達はリゾートでの休暇を愉しんでいるかのようだ。日本を本気で護ってやろうなどとは微塵も考えてはいない。
日本企業がせっせとドルを稼いでも、日本政府はいつかは不良債権になる米国債につぎ込んでしまう。日本農業は破壊され、海産魚類は捕獲制限され、毒物に等しい穀肉を押し付けられ、大和民族絶滅路線に導かれている。
筆者は自民党支持者だが、湾岸戦争では米国に恫喝されて最終的には110億ドル(?)の負担し、戦後処理と言えば聞こえはいいが、早い話が後片付けをさせられたに等しい。
イラク戦争ではショー・ザ・フラッグの名の下に米国の倉庫番の役回りで自己負担の燃料補給を強いられている。
日本は未だ完全独立国ではないと感じる。
自虐的に言うのではないが、未だに靖国論議に明け暮れているから、中国が売りつけた農薬米で作られた焼酎の輸入を拒否すると宣言している。
農薬米は中国が押し付けたんですよ、皆さんオカシイト思いませんか? 日本政府が寝ぼけているから、中国が侮って見下すのである。
序に、中国の”万里の長城”は、中国本土内にあるが、あの長城は国境線ではないのだろうか?
さすれば、もともと長城以北は中国の領土ではないのではないか? と筆者は思うのだが、読者の皆さんのお考えは?
皆さんのお考えをぜひ聞きたい。
    (一読者)


(宮崎正弘のコメント)第一に事故米の原産地ですが、そうです。中国です。いまのマスコミ報道は、中国のイメージを消そうとするスリ替えですね。ところが食中毒を起こした中国産あんこ、メラミン混入の牛乳と乳製品で、またまた猛毒中国の悪イメージが世界に拡大しています。
自業自得ですかね?
 第二に日本の主体性ですが、米軍がなぜ日本にいまもいるんですかね?
 キルギスに米軍が駐屯していますが、マナス空港を借用してアフガン空爆の基地としており、その50キロ遠方にロシアの基地があります。
そのキルギスの首都ビシュケクで、マナス飛行場取材の帰りにタクシーに乗ったら、「羊のようにおとなしいキルギス」と揶揄したあと、「え、日本のなかに外国の軍隊がいる? えっ。日本って独立国家じゃないんだっけ」と反応したのが印象的でした。



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(読者の声3)貴誌の投書欄で、どなたかが、分祀はコピーするようなもので・・・と説明されていましたが、その喩えは適当でないと思います。
「神は人の敬によって威を増す」と御成敗式目にありますが、祭祀を丁重にし鎮魂(たまふり)することにより、いや増した神霊の稜威を仰ぎ、さらに別の場所にも奉齋する。そこに神徳の昂揚があるのであり、分祀というのは、決して同じものがコピーされるというような話ではありません。
「分祀しても元の座に神霊は残っているんだから分祀は不可能だ」、ともよく言われますが、それも間違いです。
たしかに、元の神社に神霊が祭られたまま、さらによそにも神霊が分霊されるというの
が大方の分祀ではありましょうが。

しかし、たとえば過去にひとつところに合祀された二柱以上の祭神を、やはりそれぞれに適当なるお社を建てて、それぞれに丁重にお祭りしたいとしたら、それぞれの神霊には別々に遷座して頂くことになる。これも分祀にほかなりません。「元のところにも残っておられる」では、この話はなりたちません。
いま、いわゆる分祀論者はさすがに「廃祀せよ」とは簡単には言えないから、「別の座に遷せ。一部の祭神を本殿から出て行って頂け」と、靖国神社に迫っているのでしょう。
こうした議論に対し、「神道の教義」だとか「分祀しても元の座にも残る」云々、というのでは反論になっていません。問題をすりかえることにより反対論を回避するというのもわからないではないが、方便も大勢で、また高名な論者が言い続けると、一般の人々はそれが真正なる論であると勘違いします。
これでは、靖国神社に対する崇敬心が広がってゆくとも思えません。

また、「分祀はできないけど、それぞれに敗戦責任はある」、という論は、さらに噴飯ものです。そもそも「敗戦責任」とは何ぞや。内閣が開戦を決定し、内閣が終戦を決定しました。敗戦して責任をとるなら、内閣総辞職以外には何もない。
大本営の参謀を更迭するしかない。さらに個々の閣僚、幕僚が官位を返上、お詫びに財産を国庫に寄付するとしても、何ら法的根拠のない本人の心がけでしかありません。国民が強要できる筋合いでもない。
軍人に敗戦責任を問うならば、わが国の軍刑法に照らして、指揮官として敗戦にいたる過程で違法行為があったかどうかです。(たとえば、旅順でステッセルが、戦わずして降伏したから本国の軍法会議で死刑の宣告を受けました。)
仮に靖国神社に合祀された昭和殉難者のうちA級被告の14名の方々のうち、軍刑法違反を問えるのは、松井岩根などごく数名に過ぎません。しかも、そのことさえも日本の国内法でもまったく無罪であることは、東京裁判における弁論で立証済みです。
本来、管轄外の敵国の軍事裁判に不法にかけられ、不当な求刑と判決が行われたから当時の政府も認めるように、国内法においては犯罪人ではなく殉難者であると公認され、靖国神社にも合祀されました。
その殉難者のことを、靖国神社にかかわる議論の中で「でも、敗戦責任はあるのではないか云々」。
それはないでしょう。靖国神社に合祀されているという重大なる尊厳をその神前で踏みにじるごとき非礼ではありませんか。
かつて、「靖国神社には生前に窃盗を働いた兵隊も神と祭られている。それは不道徳ではないのか」と罵ったのは吉野作造でした。
窃盗の罪が消えて靖国神社に合祀されたわけではないことは明白なのにです。
かように靖国神社へ参って、その祭神の生前の前科を言い立てることこそ不道徳です。
こんにちよく見られる靖国神社にまつわる分祀と敗戦責任に関する議論には、そういう「不道徳」が感じられてなりません。
靖国神社は決して観念的に祭神が合祀されているのではなく、三権分立の帝国憲法下において、天皇陛下がわが国の殉国者を合祀なされているということ、それが正しく法的な根拠に基づいていると、肝銘すべきと思います。
           (SI生)

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