【小沢キード事件を逆手に取り、ロッキード事件の闇を追撃せよその2】 |
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【小沢キード事件を逆手に取り、ロッキード事件の闇を追撃せよその2】
ロッキード事件の闇の超ド級のその2は、1976(昭和51).2.4日のロッキード事件勃発4ヶ月後の機の熟した頃の6.30日、三木首相が、プエルトルコで開かれた第2回目の主要先進国首脳会議に出席後ワシントンに向かい、フォード大統領と首脳会談している、その会談内容である。米国側はキッシンジャー国務長官、レビ司法長官、日本側からは宮沢外相が出席している。
この時の会議資料が30有余年を経た2010年現在でも非開示であり、国家機密扱いとなっている。公文書保管所のスタッフは今日においても、「その記録は国家安全保障上の理由で公表されない」としているとのことである。発表されているのは、ロッキード事件の処理が経済分野と並ぶ主要議題になっていたこと、三木首相がロッキード事件究明の協力を要請したと伝えられているだけである。
よって推測するしかない。れんだいこが推理するのに、1・ロッキード事件をP3C哨戒機などの軍用機の解明に向わせないこと。2・民間機購入のトライスター機購入疑惑解明に向かい、角栄逮捕まで漕ぎ着けること。3・児玉逮捕から突破口を開き児玉は始末すること。4・これにつき米国は日本政府の捜査に徹底的に協力支援することを約束する云々ということになる。
1997年に公開されたキッシンジャー・レポートは、この時三木首相が、キッシンジャーともフォード大統領とも「ロッキード事件についての全般的な意見交換」をしたことを伝えている。興味深いことは、田中首相に対する絶賛且つ警戒的評とは対照的に、三木首相に対しては「彼の政策はしばしば詳細に欠け、実質的な内容より広報宣伝的要因から生まれる場合が多い。三木が成功した分野は数少ない」と軽視酷評していることである。要するに、頭が良くないと云っていることになる。故に利用しやすいと云う裏意味であろう。これはユダヤ流リアリズムの為せる技であろう。
月刊ペン10月号は、「日米首脳極秘会談で決まった田中逮捕」との見出しで次のような記事を掲載している。「席上、三木首相が、更なる格段の協力、配慮を要請したのに対し、同席のレビ司法長官は特に協力的で、日本側最高裁のコーチャンら3証人の供述内容に対し免責を保証するならば、嘱託尋問とは別に司法省の手で特別に3証人の田中に関連する証言をとってもよいことを明らかにした。
これに対し三木首相は、帰国してから最高裁の同意を得ることを条件にレビ司法長官の提言を承認したので、レビ長官は直ちに司法省刑事局のクラーク特別検事に電話で連絡打ち合わせ、7.17日に同特別検事をロスアンゼルスに派遣して、その日のうちに証言を取ることを約し、更にスチーブンス連邦地裁判事も、その証言内容を日本政府に伝えることについての証人もとりつけた。
こうして7.23日(日本時間7.24日)、日本側の免責保証を確認して、証言内容を日本側に伝えてきたが、その時司法省によれば、その内容は田中逮捕の決め手になるものなので、これで三木政権は田中逮捕は決定的であることを強く意識した、と思われる印象を得たとしている」。
7.3日、三木首相は、サンフランシスコで同行記者団と懇談し、「ロッキード事件が解明されない限り今後の政治日程は立てられない」、「『三木下ろし』には断固戦っていく」と繰り返した。この頃から、「ロッキード事件の徹底究明に自分の政治的生命を賭ける」と強気に出始めた。
以上の経緯で、れんだいこが何を云いたいのか。それは、この時の首脳会談内容が、卑屈な三木、威猛々なキッシンジャーの構図で、日本側からすれば何ともさもしい親分子分的屈辱的なやり取りになっている可能性を疑うことにある。月刊ペン10月号は、この点での言及がからきしできていない。このようなものとしてロッキード事件が仕掛けられ、あろうことか主犯の中曽根が免責され、角栄が冤罪的に処断された。これが歴史の真相ではなかろうかと思うからである。歴史はこういう風に真相を隠し、どうでも良いような情報を開示するのが相場である。よって、表の資料からだけでは真相に迫れない。常に一定の推理力を媒介せねば真相が見えてこないと云う仕掛けにある。
こういう推理力を陰謀論で片付けて得意がる者は、能力欠損者と云うべきではなかろうか。幾らものものしい肩書をしていても、それはコケ脅しに過ぎない。否能力欠損者ほど肩書に拘る習性がある。東京大学だの名誉教授だの客員何がしだのにはこういう手合いが多い。と云うのは云い過ぎだろうか。
もとへ。こういう胡散臭い事例が多過ぎるロッキード事件を再検証し、角栄の無実を明らかにせねばならない。そろそろそういう時期に至っているのではなかろうか。翻って、同じようにはがい締めされようとしている小沢をエールせねばならない。悪い奴らは習性で死ぬまで同じようなことをする。新しい人材が必要とされる所以がここにある。新しい血で歴史を読み直さなければ、幾ら読んでも読むほどにバカになる。
こう捉えると、鳩山が自らのマミー政治資金問題を棚に上げ、小沢に説明責任を求めるなど片腹痛過ぎる。記載しなかった方が、記載しても故人献金であった方が、記載した方に説明責任を求めるなど、悪い酒でも飲んでいるのではなかろうか。自民党が小沢と鳩山に説明責任を求めて国会を空転させるなどもっと片腹痛い。手前らの不祥事なら掃いて捨てるほどあろうに。よくもおめおめとマジメ顔して正義ぶれることだわ。とか何とか言っておこう。
2010.3.9日 れんだいこ拝
1751 返信 Re::れんだいこのカンテラ時評682 れんだいこ 2010/03/09 21:40
【小沢キード事件を逆手に取り、ロッキード事件の闇を追撃せよ】
歴史は摩訶不思議である。東京地検特捜部は、ロッキード事件の再来的な小沢キード事件を仕掛け、こたびは初めて一敗地にまみれた。第二弾を画策しつつあるようだが、そうは思い通りには参らぬ。れんだいこは、こたびの小沢キード事件を逆手に取り、ロッキード事件の闇を追撃せんと思う。こうすることにより、小沢キード事件の謀略性を露わにしたいと思う。人民大衆的に検察捜査の特徴を見破り、二度とこの手の国策捜査ができないようにしたいと思う。
具合が良いことに朝日新聞の連続スクープ「ロッキード事件『中曽根氏がもみ消し要請』米に公文書」、「三木元首相、ロッキード疑獄で米に密使 『自民出て総選挙』を示唆 米政府文書」が出てきた。これにより、ロッキード事件における時の首相、幹事長が名うてのプロ陰謀家キッシンジャーの掌のままに踊らされていたことが判明した。こうなったら、朝日が連続するか、どこの新聞社でも良いから次のスクープに向かわねばならない。これを伝えておく。但しちと手強い。
ロッキード事件の闇でまだ解明されていないことがある。たくさんあるが双璧のド級のものを挙げておく。一つは、嘱託尋問によるコーチャン証言に対する布施検事総長と高瀬東京地検検事正が連名で出した「不起訴宣明」、続く最高裁の「不起訴宣明書」の怪である。同書は、「右確約が将来にわたり我が国のいかなる検察官によっても順守され、本件各証人らがその証言及びその結果として入手されるあらゆる情報を理由として公訴を提起されることはないことを宣明する」と認めている。
これによれば、「仮にコーチャン証言の内容にウソ偽りがあっても、偽証罪の告発を受けない」という奇怪な保証付与となっている。日米間の司法取決めにより、証人が偽証した場合でも咎められることがないと云うのだ。こんな裏取引で角栄は嵌められたことになる。この「不起訴宣明」経過は、「アメリカと日本の司法官僚の出来レース」ぶりを物語っており、ロッキード事件の胡散臭さの動かぬ証拠となっている。
恐怖せねばならぬことは、これらのいずれもが法の番人の世界で起こった取り締まり側からの「上からの法の蹂躙」であるということである。この経過は、法の建前というものが、ここ一番になると如何に政治主義的にかなぐり捨てられるのかを語って余りあるであろう。ちなみに、角栄死去後の榎本らの上告審では、最高裁は嘱託尋問調書を証拠から排除している。それを思えば、極めて政治的な動きを見せたことが裏付けられる。
かくて、このような段取りを経てコーチャン証言が始まった。奇妙なことは、この時の尋問事項があらかじめ角栄との絡みにのみ設定されている節がある。更に奇妙なことは、コーチャンの答弁は「5億円は丸紅に渡されたが、その先が誰に渡されるのか、はっきりしなかった」と述べているにもかかわらず、コーチャンが角栄への贈賄を証言したとフレームアップさせられ、波紋を広げていくことになったことである。実にマスコミの言論大砲の威力は大きい。
この件につき2002.5.23日付けの日経新聞に興味深い記事が載った。それによると、「ロッキード事件で、コーチャン氏ら関係者三人の嘱託尋問調書を巡り、刑事免責を伴う『宣明書』を最高裁が出した際の裁判官会議録などについて、大部分を不開示としたのは権利の侵害として東京都内の団体職員の男性(41)が22日、国に慰謝料など130万円の支払いを求める訴えを東京地裁に起こした。訴状によると、男性は2001.5月、最高裁が1976.7月に開いた裁判官会議録や、宣明書に関し法務省、検察当局、米国の裁判所と折衝した記録など4件の文書開示を請求した。しかし、最高裁は同月、一部を除いて不開示を決定した」とある。この方は今頃元気にしているだろうか、気になる。
こうして、今に至るも、「最高裁の不起訴宣明書経緯」は明らかにされない。つまり、今日なおこの時の最高裁の奇妙な動きについて公表為し得ないと云う立場を取っていることが判明する。何故なのか。この時の最高裁、検察、法務省等司法当局は、未だ自己切開為し得ないほど変調な取引に応じたということであろう。この取引を支持する側で群がった者がその後順調に出世し、逆は登用の道を閉ざされた。これはマスコミ界も然りである。今日、ロッキード事件で角栄糾弾のペンを逞しゅうした者ばかりが出世し、逆の者は窓際に追いやられたり退職の道を敷かれた。
長くなったので以上でとどめる。というか連れが誘いに来たのでこれで止める。まだ大きなのがあるが次回とする。
2010.3.9日 れんだいこ拝
1750 返信 Re::れんだいこのカンテラ時評681 れんだいこ 2010/03/07 12:45
【朝日新聞のロッキード事件続スクープ、三木首相のキッシンジャーとの秘密交渉】
2010.3.7日、朝日新聞(奥山俊宏)が、2.12日の「ロッキード事件『中曽根氏がもみ消し要請』 米に公文書」記事に続き同じくメガトン級の「三木元首相、ロッキード疑獄で米に密使 『自民出て総選挙』を示唆 米政府文書」記事を掲載した。
(ttp://www.asahi.com/national/update/0306/TKY201003060351_01.html)
「このほど秘密指定が解除された米政府の内部文書でわかった。日米関係の裏面史がまた一つ明らかになった」として、ロッキード事件に纏わる三木首相の怪しげな挙動史実を明らかにした。これを確認する。やはりこういう記事を掲載するのは朝日なんだな。読売、産経、毎日にはできない。格が違う。やっぱり朝日は購読せんといかんな。毎日が面白くなくなったから乗り換えよう。
2.24日、三木首相は、フォード米大統領宛にロッキード疑惑に関する全資料の提供を求める親書を送った。その2日後、米政府・国家安全保障会議のピーター・ロッドマン氏に、若泉敬(けい)・京都産業大学教授から電話があった。ロッドマン氏の報告文書によれば、若泉氏は「三木首相がキッシンジャー長官との秘密会談にあたらせるため、平沢氏を『個人的な秘密代理人』に指名した」と伝えた。平沢氏は外交官やNHK解説委員を歴任し、三木氏の外交ブレーンだった。若泉氏は沖縄返還交渉などで佐藤栄作首相の密使を務めた人物で、その後も米政府と連絡を保っていた。
3.5日、三木首相の密使として平沢氏がワシントンでキッシンジャー米国務長官と極秘会談した。国務省の記録によれば、米側は資料提供の条件として「秘密扱い」を求め、平沢氏の同意を得た。両者でフォード返書の文案を検討し、表現をいくつか削除した。
3.12日、返書が日本政府に届いた。両政府は、米国が資料を秘密扱いで日本の検察に渡すことで、同月23日に合意。捜査や訴訟にのみ使うのが条件で、「法執行の責任を有しない政府機関に開示されてはならない」と規定された。
4月上旬、資料が届く前、平沢氏はロッドマン氏に電話し、三木首相からキッシンジャー氏へのメッセージを伝えた。「元首相、現職閣僚、与党幹事長のだれかが事件に関与しているかどうか極秘・緊急に知りたい」という内容だった。この際、平沢氏は「米側の返答次第では、三木首相は無党派の改革案を掲げ、内閣からも党執行部からも離れて国民の信を問うという、前例のない選択肢を実行に移すだろう」と述べた。しかし、米側は4月10日、「日本政府と最近合意した手続きによらなければならない」として、要請を断った云々。
ざっと以上のような内容である。この情報が如何に大事なのか、それは、時の日本国首相が、国際金融資本の筆頭使用人であるキッシンジャーの顔色窺いながら二人三脚でロッキード事件を仕掛けて行った裏舞台があきらかにされたことにある。朝日の先の記事は中曽根の挙動不審を伝えた。こたびの記事によると三木然りとなり、何と時の首相と幹事長が揃ってキッシンジャー指揮下にあり逆指揮権発動したことが判明したことになる。
且つ更なる犯罪性は、同時期のロッキード事件—ダグラス・グラマン事件に於いて明らかに児玉—中曽根—ナベツネラインの犯罪を濃厚にしていたのに、これを免責させ、敢えて前首相の田中角栄の金権腐敗訴追へと捻じ曲げ誘導し、これに立花隆を筆頭とする御用評論家、マスコミ各紙各誌、日共、社会党、労組が大包囲網を形成し翼賛合唱したことにある。その凄まじさは、カラスが鳴かない日はあっても角栄糾弾の声がしない日はないと云われるほどの喧騒となったことで分かろう。
ロッキード事件から30年を経過し、こうして次から次へと真相が現れるようになった。誰か、角栄の冤罪の紐を解かんか。可哀そうでならぬ。れんだいこ史観によれば、角栄政治とは大国主政治であった。大和王朝前の倭国時代の日本列島に於いて善政を敷いていた部族連合国家たる出雲—三輪王朝時代の王朝楽土型政治の20世紀後半型復刻版であった。それ故に人民大衆が今も大国主同様に角栄を懐かしむ。その角栄を理不尽に葬った反角栄連合派の醜態をこそ咎めるべきであろう。誰か、こう共認せんか。
付言しておけば、角栄は戦後日本政治史上のハト派対タカ派抗争軸上のハト派の総帥であった。その角栄が捕縛はがい締めされるに及び日本が国際金融資本にはがい締めされ、今日の如く惨憺たる中国、韓国の後塵を拝する貧相国家となってしまった。戦後日本の社会主義的要素は民営化の名の下に次々毀損され、ハゲタカファンドの餌食にされてしまった。ハト派は内治を重視する。公共事業を重視するのはその為である。タカ派は外治に利用される。公共事業を抑制し、国際金融資本の命ずるままに国富を献上する。
今まではこう説いてきたが、これからは内資派と外資派に分類しようと思う。外治と云う用語は戦前には当てはまるが戦後には似合わないからである。戦後日本のタカ派には外資派の方がよりぴったりする。今や日本政治は、ハト派(内資派)対タカ派(外資派)が抗争している。新党だろうが旧党だろうが、これでふるいにかければ動きが良く分かろう。
2010.03.07日 れんだいこ拝
投稿者 sfu9xi | 返信 (0) | トラックバック (0)