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国語辞典は<あ〜さ>行で全頁の半分を占める話 散史

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「それがどうしたの」と言われるのを覚悟の上で書いてみたい。五十音の30%で辞典の全頁の50%を占めていることが以前から気になっていた。先日、近くの大型書店に行った折、外国の辞典を調べてみた。英独仏からポーランド、ロシア、オランダ、マレーシア、漢語等々、十冊ぐらいはあったと思う。するとやはり、どの辞典も厚さの半分位の頁はM、Nの項であった。
次に、その足で図書館へ向かった。棚にある一番大きくて厚い「角川古語大辞典」(辞は正字。A4判、全5巻、本文約4700頁)の文字別頁数を調べることにした。語彙数であれば正確なのだが、根気が続きそうになかったので楽な方をとった。
古語辞典は国語辞典と違ってカタカナ語が含まれていないので国語を調べるのに適していると思い、ざっと見ると辞典の厚さは各巻で異なるものの5巻のうちの3巻の最後の文字が<そ>であった。
調べ始めて間もなく思った。日本語は50音図のできる前に成立していたのだからどの行で語彙の何%を占めようと関係ないのではないか、だから不思議でもなんでもないのだ、と。
しかし、他の国の言葉がアルファベットの50%=語彙数の50%なのに日本語だけそうでないのは何故かという疑問は残る。もし、元々の50音図があるのかもしれない、と調べを続けることにした。
<わ>行まで行った頃、別の考えが浮かんだ。戦前まであった<わ>行の「い、え、を」
が<あ>行に吸収されたために結果的に<あ〜さ>行が多くなったのではないか、と。多分それはあるだろうが、ここまできたら最後まで行くしかない。
それにしても、男が”をとこ”であった時代は、起つべきときに起つ男がいたのだろうなあと想像してしまう。”をんな”という女がいた頃とはどんな時代だったのかなど、色々と考えさせる<わ>行の三文字である。
一時間も経ないうちに結果は出たが、文字別はさすがに面倒なので行別に記しておきたい。

   あ行 653頁 か 879 さ 926 た 754 な 251
   は  545  ま 333 や 185 ら 85 わ 121

文字別の多い、少ない順。一位〜五位まで。

<多> し 412頁 か 285 た 257 こ 203 さ 195
<小> る 3 れ 13 ろ 16 い 16 え 16
   
   (い、え、については<わ>行。ろ、い、え、は行数を数えて決定)

<あ〜さ>行は計2458頁で全体の51.9%。<わ>行の三文字は計67頁で影響は1.4%であった。
ここで新たな疑問が湧く。もし日本語が英語と同じように、先ずアルファベットが創られ、その後、それを基に単語を作って行った言葉だとしたら、元々の五十音は何かということである。英語の成立過程については異論のある方も多いと思うが、ここの<文化>に書いてある私の「アルファベット解読」をお読みいただきたい。
考える材料は一つである。「いろは歌」だ。各行の頁数をみてみよう。この行とは七字ずつに区切り「色は匂ほへと」を一行とする。

     い行 676頁  ち 659  よ 671  ら 562
     や 711   あ 1126  え(わ行)327

実に均衡のとれた頁数が並んでいて、これなら他国の辞典と比べても違和感はい。<あ>行などは<え>行の字数が他の行より三字少ない分を補っているようにも見える。
<い〜む>までの23字(全体の48.9%)の計は2074頁43.8%でほぼバランスもとれている。
もし、「いろは歌」から日本語がつくられたと仮定するならその成立年代はかなり古いことになる。1079年の資料に記されているからといって成立もその頃とは限らないだろう。それ以前とみるのが妥当ではないか。
この難しい手習い歌が一挙に完成するわけがないのだ。
”とかなくしてしす”の人物も柿本人麻呂ではなく、それよりはるか以前の人ということになるが私としては、咎なくして死んだ人と聞けばすぐにイエスを思い浮かべてしまうのだが。
調べ終えた今、頁数をもとにせざるを得なかったのは何とも残念であった。どこかの出版社が英断をもって各文字の語彙数を載せるのを待って再考の機会としたい。その際はぜひ、いろは順に編集してほしいものだ。おそらく日本語の景色が変わって見えるだろう。
以上、長くなったが「それでどうしたの」と言われても「こうでした」と答えるほかない辞典の話を終えたい。

 

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