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金融安定化のために時価会計は原則的に廃止すべきだ | SAFETY JAPAN [セーフティー・ジャパン] | 日経BP社

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経済アナリスト 森永卓郎
2009年 6月9日

 米国の株価が、着実な上昇を見せている。そのベースとなったのが主要銀行の黒字決算である。

 シティグループが発表した今年1〜3月期の決算では、最終利益が約16億ドルの黒字となり、6四半期ぶりの黒字決算となった。シティグループだけでなく、米国の銀行は軒並み黒字決算を発表している。バンク・オブ・アメリカの1〜3月期の決算は、純利益が42億ドルとなり、前年同期比の3.5倍にもなる絶好調ぶりだった。

 こうした数字を見て、サブプライム・ローン問題のこげつきに端を発した金融危機からようやく米国の銀行が立ち直ってきたように感じる方も多いだろう。

 だが、今回の銀行の好決算だけを見て、金融危機が去ったと考えるのは早計である。なぜなら、こうした数字は時価会計基準の緩和によってもたらされたものだからだ。いわば、数字のマジックなのである。

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