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とむ丸の夢 熱狂状態から冷めた人、まだ冷めてない人

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見慣れぬ言葉を目にしました。
「ユーフォリア」です。「陶酔的熱病」の意味だそうですが、検索すると、こちらに経済的に用いた場合の詳しい説明があります。

 森永卓郎さんはこれを「陶酔的熱狂」と呼び、3年前の9月11日の選挙結果をこのユーフォリアの表れと見ています。
 メディアはこれを「小泉マジック」と呼んでましたっけ。

 確かにマジックにかかったように熱狂する人たちが続出しました。

 コムスンの現場で働いて、利益を出すためにヘルパーが酷使・使い捨てにされるさまを身をもって体験した知人でさえ、年金問題が噴出してくると社会保険庁は民営化すべきだ、と言い出し始めました。
 またこの状態に陥った人でも、その社会的地位からはとてもB層として括られそうにない人もいました。

 森永卓郎さんがユーフォリアが成立する条件の一つに「情報の遮断」をあげていましたが、例にあげた知人たちにも、それがうかがえました。
 メディアも情報遮断に手を貸しただけでなく、本人たちも自ら情報を掴もうとはしませんでした。。

 政治に関心がない、ということもその理由の一つにあげられますが、宗教と政治の話しは御法度だ、という感覚を持つ人が多いのも事実です。宗教に勧誘されるのもイヤだし、政治的主張に感化されるのもごめんこうむりたい、という気持が先に立つのでしょう。

 それになにより、相次ぐ腐敗の表面化で政治不信をいっそう高めながらも、持って行き場のない怒りに無力感を強めていることもあるかもしれません。

 でもそんな人たちにも「郵政改革をやる。オレは殺されたっていい」とか「自民党をぶっ壊す」とか叫んだ男の言葉は、琴線にふれたのかもしれません。

 当時、コイズミ純一郎氏の印象を「は虫類だ」という人がいて、それに私も大いに同意したものです。

 は虫類かどうかは別にして、実際3年前の総選挙時の得票数を見ると、

      小選挙区      比例区       
与党  33,499,494    34,875,400
野党  31,324,709    32,935,669
 
 といったぐあいで、議席数に比べて得票数の差はずっと小さい。ユーフォリアに影響されなかった人もけっこう多いんですね。

 見事にはったりをきかせて強いリーダーを演じきった男に酔いしれた人たちを、このユーフォリア状態から抜け出させる方法はあるのだろうか? と考えてみましたが、やはり良い知恵はなさそうです。

 現実の問題や矛盾が目に入らない、一種の高揚状態にある人も、破綻が自己そのものに及べば目が覚めるのかもしれませんが、それだって確かではなさそう。まあ、そこまでの状態の人はけっして多くはないだろう、と判断できそうなところが救いです。

 コイズミ純一郎氏自身も、きっとこの高揚感にとらわれていたのだろうと思います。
 高揚感と同時に万能感でいっぱいになって、自分は何でもできる、という気持に支配されて、3年前の選挙を乗り切ったのではないでしょうか。

 しかし今の彼はどうでしょう? アベ・フクダ政権下の日本の政治・社会・経済を目の当たりにして何を想っているでしょうか。

 政治も社会も自身への熱狂状態から距離を置きつつあるありさまを見て、そこから目をそむけようという気持が湧いてくるとしてもおかしくはありません。
 本気で小池百合子を自己の代理人として総裁/首相の座につけようとは思っていない気もしてきます。

 一度大成功に帰したやり口でふたたび成功することはほとんど不可能だということも、勘の良いこの人は気づいているでしょうし。
 多くの有権者を熱狂させたこの人自身は、とっくの昔に高揚感から冷めているのではないでしょうか。
 それに、自分には政治を司るものとしての良心も見識も資質も欠けていることは、よく承知しているでしょうし。なにしろ、勘のいい人ですから。

 まあ、酩酊状態のまま捨て置かれた人たちは気の毒としかいいようがありません。

 自分だけ勝手に先に冷めて、私たちをどうしてくれるのよ! と、コイズミ氏自身に文句を言ってください。

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