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想定外のハプニング ~ロング・ターム・キャピタル・マネジメント社の破綻例

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世界の大手銀行はいくつかが実質破綻へと追い込まれたが、大型のヘッジファンドや投資会社が破綻するという事態は今のところ回避されている。しかし、ヘッジファンド業界の現状は非常に厳しい。ほとんどすべての種類について資産価格は下落し、住宅価格は大きく値下がりし、製造業の経営をはじめ多様な企業の収益は悪化しているし、自動車ローンと商業用不動産ローンの延滞もデフォルトも増えている。今後さらに悪化することは必然であり、いずれ世間を大きく騒がすことも必然であろう。ファンド業界全体では、市場混乱と資金逃避、信用ひっ迫で約20年ぶりの苦境にあると言われる。調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によれば、08年1-9月の上半期のヘッジファンド平均成績は−10.8%で、このままいけば戦後最悪の成績となるという。また、今年半ば時点でヘッジファンドの解散は前年同期に比べて15%増えており、世界中に1万本あるヘッジファンドの淘汰は始まりにすぎないという。資産運用会社を顧客に持つ投資銀行グレール・パートナーズでは、「ヘッジファンドの数は向こう2四半期で半分になるだろう」と述べるほどである。
そして、ヘッジファンドとは呼ばれないが、米ネブラスカ州に本部を置く世界最大の投資持株会社であるバ−クシャ−ハザウェイ社。投資の神様ウォ−レン・バフェット氏が率いていることで有名だが、バフェット氏もすでに77歳を迎え、引退も囁かれる。失礼な言い方かも知れないが、バフェット氏の常識がこれからの非常識に替わることも起こり得るのが、この100年に1度と言われる世界危機であるかも知れない。コカコ−ラ(株式保有率8%)などの筆頭株主であることに驚きはしないが、銀行持株会社へ業態変更して生き残りをかけるアメリカン・エクスプレス(株式保有率12%)の筆頭株主であることには若干の懸念がある。さらに、負の清算からの逃亡者であるゴ−ルドマン・サックスへも50億ドルの出資を行なっている。そして、同社保険部門は世界最大の再保険会社でもあり、複数の保険会社を始めとして多岐な事業分野にわたっており、実質破綻したAIGとの負の関連にもいまいち不明な点がある。
1998年の「ロング・ターム・キャピタル・マネジメント」(Long Term Capital Management)の破綻は、国際金融史の中でも前例を見ない世界最大級の金融破綻劇として今も語り継がれる。LTCM のスタッフの中には2 人のノ-ベル賞受賞者がいた。一人はコンピュータ・サイエンス出身の金融経済学者でスタンフォード大学教授。デリバティブの価値付け理論でノ−ベル賞を受賞し、もう一人は数学出身の経済学者でハーバード大学教授である。このような優秀な人材を揃えて資金運用を行なうのだから、投資家は安心して資金を提供した。LTCMの主要取引は、一貫して流動性が高い債券間のスプレッド(価格差)のボラティリティ(分散=不確実性)が低い点に着目したあらゆる債券の相対価値取引で、レバレッジ(取引金額÷証拠金)は常に20~30倍、一時的にはそれ以上かけていたと言われる。その後も好調な業績により、M&A、金利スワップ、私募債・モーゲージ担保証券・株式と投機対象を広げ、より流動性が低く、より不確実性の高い市場へと参入していったことが、LTCMを破綻しやすい体質へと変えてしまった。彼らの失敗は、物理数学的な理論には長けていたものの、歴史や地政学を無視していた点である。1929年の大恐慌から学ぶべき、投機対象でこの世にリスクフリ−なものは無いということをすっかり忘れ、ソ連の崩壊のような地政学リスクという想定外の出来事の前では、もはや破滅に向かうしかなかったのである。
果たして、バ−クシャ−ハザウェイ社が第二のロング・ターム・キャピタル・マネジメント社になるとは言わない。しかし、全知全能の人間などこの世に存在しない以上、人の成すことには必ず想定外のハプニングが起こるというのが過去の経験則である。
これから米国が財政破綻に見舞われる、このことは世界的に想定外な事象の最たるものなんでしょうね・・・。

想定外のハプニング ~ロング・ターム・キャピタル・マネジメント社の破綻例~:イザ!

投稿者 sfu9xi | 返信 (0) | トラックバック (0)

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