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「マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術」松藤民輔著(講談社)の注目点 Ddog

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お疲れ様です。激動の10月もやっと終わり、10月末の日経平均は8,576.98円でした。私のブログをチェックしていただくとお分かりだと思いますが、3月のベアー救済合併の第一ラウンド終了後、住宅金融公社の騒動と、とこの秋10.11月頃に相場の波乱があるだろう読んではいました。ただし、日経平均では1万円近辺とまでしか読めませんでした。まさか7600円をつけにいくとは思いませんでした。CDSの爆弾が破裂したり、米国経済の実体経済が悪化すれば、バブル後安値2番底はもう少し先にあるだろうとは思いましたが、一気につけてしまいました。
【日経平均サイコロ1】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/12008197.html
7/3の投稿では10月は10500円と弱気な予想をしていたのに6,994.90円のバブル後安値をつけるとは・・・。外れたと素直に認めます。とてもとても読みきれませんでした。申し訳ございません。

【TOPIXが1000ポイントを割った!割安な東証と、世界協調利下げを待つ米ドル 】10/7
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/17982862.html
この時点でも読みは甘かった。1ドル90円台は簡単につけないと思っていましたが、世界中の通貨はドルに対し値を下げ(これは読んでいた)更にドルの逃避先は、「金」ではなく、「円」を選んだ。嬉しい誤算かもしれません。

【日本の株式の長期的展望 (責任は持ちません) 】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/7330064.html
日本株の長期予想では3万円と大胆なことを書いていますが、こちらは旗を降ろしたわけではないので読み直してください。NY市場は2018年まで停滞期ですから「失われる10年」読んでますよ!『景気の循環、日経平均のテクニカルを鑑みた時、再度日経平均が調整したときが絶好の買い場となる可能性が高い。』一応これは7600円の2番底をどこかでつけるかもしれない、でも下値せいぜい1万円と思って書いたのですが、今年10月につけるとは改めて絶句です。

日経平均の1万円以下は下げすぎで、どこで国際優良株や金融株、環境関連、資源株を買おうが長期的にはOKだと思いますが、日経平均の本格上昇は来春以降です。水曜日によほど底値宣言を載せようかと思いましたが、『「今日は上がったね」と君が言うから10月28日はザラ場(安値)記念日』はまだ封印しておきます。

円ドル為替ですが92円台でぽんと個人で30万ドル米ドル買った人をしているのですが、私にはその勇気が無かった。95円を割ることは、80円まで支持線がないこと意識してしまった。しかし日経新聞が『円相場「83−85円も」(日本経済新聞)』と記事を出していた!
http://www.asyura2.com/08/hasan59/msg/310.html

最高の指標だ!そしていつもの法則が発動し、円高が止まったのには笑った、ハラワタが捩(よじ)れて死ぬかとも思った。日経新聞の為替相場予想は真性の「曲がり屋」だ!
[http://www.asyura2.com/08/hasan59/msg/314.html/曲がり屋に向え]悔しい。

前置きがだいぶ長くなってしまったが、今日は松藤民輔氏の「マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術」副題:連鎖崩壊時代の「実践・資産運用透視学」を読みました。図書館でやっと順番が回ってきたので読み出すと30分ほどで読み切れる本でしたが、ご紹介したい箇所があります。

松藤氏は無名の私みたいな二流のサラリーマンと同格ではないでしょうが、私と同様、彼も相場の嗅覚を大切にする相場師のDNAを持っています。
7月に出た本ですので、リーマン破綻前でまだ商品や金・原油が高かった頃の本ですので、現時点で既にいくつか予想を外していますが、面白い本でした。
P61〜63
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アメリカは滅び、ドルは強くなる

景気という観点から考えると、一日も早い消費大国アメリカの復活が待たれる。いかに中国13億人がバイイングパワーとして巨大であっても、アメリカの実力、アメリカ人の底堅さは別格である。

中国はやはり、新興国の一つにすぎない。あとでまた詳しく触れるけれども、中国の景気は長続きしない。日本が「お客」として大切にもてなすべきはアメリカであり、アメリカ人なのである。そしてアメリカもまた、必然的に日本を大切にする必要が生じる。

アメリカの特徴は、国民性としての過剰消費と過少貯蓄だ。この国には超リッチマンがたくさんいるけれども、金持ちだからといって一日に五食も六食も食べるわけではない。意外と粗食で、アルコールを控える菜食主義者も少なくない。金持ちだからといって、いっぺんに五着も六着も服を着るわけでもない。やはり、およそ三億人のアメリカ市民の旺盛な消費欲こそが、日本の自動車、家電、食品などを飲み込み、富をもたらしてくれるのだ。

これまで、アメリカあればこそ世界経済が成立していた、といっても過言ではない。アメリカの過剰消費が世界経済、日本経済を牽引してきたのは紛れもない事実なのだ。つまり、サブプライムローンの証券化ビジネスのような「掟破りのバブル」は迷惑だけれども、金融大国の名にかけて、また小さなバブルをつくり上げてくれるくらいでちょうどいいのである。サブプライム危機でアメリカ経済が冷え込み、今後、金融恐慌がいっそう深刻化してくると、NYダウは暴落し、株価の下落と同時に、不思議なドル高になっていく。

1990年代の日本の株価の下落が、80円への超円高を生んだように、アメリカが過去五年間で全世界に貸し出していたドルの回帰が始まる。サーモンのように、ドルはロンドンから、中東から、アジアからニューヨークに戻る。これはマネーセンターになり、過去にドルを大供給した金融の中心地で見ることができる。

さらに米国債の暴落は、ドル高という普通の人々の非常識が発生することになる。全世界はドルショート(売り)で、資産ロング(買い)をこの五年進めてきた。紙切れになりそうだと信じるプロや専門家の方が多い。しかし、米銀の動きは米銀によるドルの貸し剥がしを惹起(じゃっき)させ、ドル高に傾いていく。その時、日本人と日本の金融機関が大量のドル債を持つことで、ドルの信認は崩れない。しかし、通貨としてのドルは生き残るものの、国家としてのアメリカは、かつての大英帝国のように力を失っていく。そしてこの恐怖は、金融資産大国の日本の時代を政治的にも、経済的にも、準備させることになる。
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'''1990年代の日本の株価の下落が、80円への超円高を生んだように、アメリカが過去五年間で全世界に貸し出していたドルの回帰が始まる。'''
まさに慧眼である。<阿修羅でドル暴落論が持論の方はこの点を見落としている>

P63〜65
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「M」が示すマネーの暗号

本章の最後に、ユニークなチャートを紹介しておこう。わたしの友人である天才トレーダー、ボブ・ホイから送られてきたものだ。
これは、S&P500種の1930年代からの一年ごとのリターンをグラフ化したチャートで、ご覧いただくと、1974年を中心に左右対称に「M」が描かれていることがわかると思う。もし、もしもだ。この左右対称のチャートがこのまま続いたら〜継続したらこれからS&P500種がどこに行くか、「未来」を読むことができる。

前回の「山」は1939年8月から74年9月までの35年1ヵ月間だった。これは、1974年9月からカウントすれば、2009年10月までとなる。とすれば、2008年6月現在の株式市場のパニックは、あと16ヵ月継続することになる。まだまだ大暴落が待っていることにお気づきいただけるだろうか。この研究をしたロス・グリエスを心より尊敬する。あなたの隣には、金融恐慌の現実が待っている。しかし、この過去の株価パターンとサイクルの研究は、あなたにビッグチャンスという「まだ見ぬ一条の光」を感じさせてはくれまいか。

株価が年問にどれだけ上下したか、70年余のチャートにすれば「M」の字が現れてくる。
その「M」の右と左が対称になれば未来は見えてくる……というおとぎ話。である。
信じるか信じないか、そんなケチな話ではない。偶然か必然か、秘密の暗号のような「M」の存在を見つけたことに、素直な直観で感動してもらいたい。セオリー(理論的)な視点ではなく、ヒストリー(歴史的)な視点で時代を眺めるのが松藤流であろう。
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P121〜123
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中国パッシングが始まった

経済調査機関「ドラゴノミクス」(北京)によると、「2008年からGDP成長率に対する輸出の寄与はまったくなくなる」という。中国の貿易黒字は、三年にわたって年間平均800億ドル増加を続けてきているが、2008年はほとんど伸びない。

一方、輸入の伸び率は18パーセントから26パーセントヘと急増している。つまり、いま中国は、輸出よりも輸入大国へと変わりつつあるのだ。

中国が原油輸入国に変わったのは一九九三年。もう一五年も経っている。1バレル=100ドルにも満たない時代はよかったが、100ドルを超え、さらに200ドルの大台をもうかがう昨今、省エネとはほど遠い社会構造を持っているだけに、生産性の向上は期待できない。さらに、13億人もの人口を抱え、世界一の食料消費国である中国が食料輸入国へと転換するのは時間の問題といえよう。

貿易黒字にしても、黒字を計上しているのは欧米に対してだけなのだ。日本、韓国、台湾、そのほか東南アジア諸国についてはすべて赤字である。これらの国々は、中国を生産基地としており、それぞれ自国から資本財や部晶を大量に輸出している。とくに日本からの輸入は15.8%増の1339億ドルと拡大の一途を辿っており、最大の輸入相手国となっている。「頼みの綱」といってもいい欧米経済が冷え込んでしまったらどうなるか。中国の未来は推して知るべし、なのである。

さらに注目しなければならないことは、いま、世界が「中国パッシング」にシフトしつつあるということだ。中国パッシングとは、中国通りすぎ、中国外し、中国迂回、中国からの移転・移管……という意味である。

もともと、中国は生産基地として成長を遂げてきた。アメリカ、EU、日本、韓国、台湾など、中国から見れば外資系企業が原材料を中国本土に輸出して、工場としての中国に生産させ、できた製品をアメリカや景気のいい資源国、ロシアや中東などのマーケットヘ輸出してきた。つまり、中国はあくまでも生産工場の一つにすぎないのである。

ところが、この生産基地が外貨を稼ぐようになって変わってきた。とくに2008年は大異変の年になるはずだ。というのも、労働者の権利を強化する「労働契約法」の施行によって人件費が高騰する。外資系と中国企業の法人税率を段階的に同じにする「企業所得税法」も施行される。さらに、人民元のよりいっそうの上昇で輸出型企業には逆風が吹く。

こうなったら、ただでさえ「カントリーリスク」の高い中国で製品をつくる必要はない、考える海外の経営者が増えてもなんらおかしくはない。

『脱中国』の動きは止まらない
事実、中国パッシングは具体的に進んでいる。2007年、中国への海外からの直接投資
は、対前年比27パーセント減の30億ドルヘと大幅に減っている。
電気や自動車など、製造業の大型投資が一巡したばかりか、今後、中国に代わる新たな投資先へと資金がシフトし始めているのだ。スポーツメーカーのナイキも、生産拠点を中国から東南アジア諸国へとシフトしている。

2003年のSARS一重症急性呼吸器症候群一発生後、リスク分散のために、各国は中国
への一極集中から、ベトナムをはじめとする複数の生産拠点確保へと動きを加速させてきた。その結果が対中国投資の減少である。
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中国パッシングか、名言だ。アメリカの金融危機に目を取られ、中国経済関連のニュースが激減した。
今後実需経済に影響が深刻化した頃、中国経済の凋落に耳目が集まるだろう。そして内乱か・・・?
【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/19161190.html
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ブログでは字数制限があり4000字を越えてしまっているので、ここからは、阿修羅版のボーナストラック・・・。(いや今回は後からブログに加筆訂正し張りなおす予定です。)

この本は、一度7月に読みましたが、買わずにおこうと思った点は当時原油高で、私は必ず下落すると思っていましたが、彼は「原油価格はバブルで、元の50ドルに戻る。原油高はドルの下落・ドルの上昇は原油の下落」と書きつつも、150ドル突破200ドル突破もバブルであると玉虫色に書いている点が気に入らなかった。

それもそのはず、彼は金の高騰を予測しているからだ。確かに「有事のドル」が終焉した場合「金」と考えるのは自然な流れかもしれない。

でも、私Ddogは金復活には常に「異」を唱えます。世界中で流通・埋蔵している「金」15万5000トン採掘可能埋蔵量7万トンに対し世界経済は明らかに巨大すぎてしまうと考えるからです。彼は金の理論価格2289ドルと計算しているが、世界経済に合せた金本位制になった場合今の金価格は高騰するが、明らかに私がスリムのジーパンを履こうとするようなものだ、例えがわかりにくいですね、メタボのオヤジが・・じゃなくて、金魚鉢で鯨を飼おうとするが如く無理な話です。彼の予想は見事に大外れ、昨日725ドル。

金のアナリスト達が間違う点は私には分かっている。金は、資産的価値を持つ前に工業製品の素材的価値がある点である。金の根源的価値はどこから来ているか?そのルーツを商品アナリスト達は軽視していると思う。

金は加工しやすい金属である。装身具の宝飾品、ボタンであるとか、スプーンや蜀台・器などに用いられ、金箔にして室内に張ると、照明手段が「火」であった時代、室内を明るくする貴重な金属であったからこそ価値があったわけです。

現在は、金以上に加工耐久性がある代替素材が開発され、室内は照明器具が発達してい為、金は人類の科学技術の進歩により実用価値が下落し続けている逆相関関係にある点を考慮にいれていないような気がします。

そう、実はマネーにおいても価値の入れ物であった金が、別の素材、紙幣や帳簿、電子マネーに置き換えられ続けていることを重要視していない点を私Ddogは見逃しておりません。確かに、金以外の価値の器が動揺し、一時的に金に逃避したとしても、また新たな素材を人類は見つけ、有限な金の代替素材をまた発見することになると思います。

金も投資手段として有効なものと思いますが、あくまでも分散投資の1つにすべき点注意してください。

もう1点、金ETFの盲点。金ETFもETFを組成している発行体本体が破綻すれば、影響は免れない金融工学商品である点をお忘れなきようお願いします。

※投資は20過ぎたら(行いましょう)。健康のために、賭けすぎには注意してください。

「マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術」松藤民輔著(講談社)の注目点 Ddog

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