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クレイジーパパ: 三菱UFJは黒字か赤字か、日米会計基準の生む大きな差

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米国発金融危機の津波は世界同時テロのように各国を襲っている。

ITを駆使した金融工学により企業や産業そのものを金融商品にし、肝心な基幹産業を育てることを忘れてマネーを膨らませ続けたアメリカ型市場万能主義は、自然の帰結を迎えたといえる。

そのアメリカが投資ファンドの利益のために死守している米国会計基準は、19日発表された三菱UFJフィナンシャルグループの決算を、日本基準と対照的な結果に導いた。

08年3月期決算は、5月に発表された日本基準だと、6366億円の黒字だった。ところが今回の米国基準では、5424億円の赤字になった。

同じ会社の同じ期間の業績が、会計基準によって天と地の差になる。三菱UFJフィナンシャルグループはいったい黒字なのか赤字なのか。業績はいいのか悪いのか。投資家は混乱するほかない。

簡単に言えば、時価会計主義の米国基準と、簿価主義の日本基準との差で、こういうことになった。つまり、米国式は土地や株の含み損を損失として計上しなければならない。日本式は買ったときの価格のまま資産を計上するから、含み損は損失にならないわけだ。

三菱UFJフィナンシャルグループの日本会計基準の損益計算書を見ると、経常収益6兆3939億円、経常費用5兆3649億円、経常利益1兆290億円。当期純利益は前年より2443億円減って6366億円である。「サブプライム危機の影響による純利益減少」と会社側の分析が付記されている。

米国基準は前記のような項目に分類されていないので、比較しにくいが、損益計算書にマイナスの数字が二箇所ある。そのうち額が大きいのは有価証券の損失1兆3730億円だ。これが米国基準の決算を大赤字におとしめた元凶である。所有株式等の下落が、三菱UFJの業績に影を落としている。

日本の会計基準だと株式を売らないかぎり損失が出ることはない。しかし、短期で儲けをもくろむファンドや投資家の立場からは時価会計が、その時点での経営実態を示していることになる。その意味で三菱UFJは赤字である。

日本は世界の投資を呼び込むため、流れとしては時価会計の方向をめざしているように思われる。ただ、株主の利益を重視するあまり経営者が株価にばかり気をとられ、近視眼的な思考に陥ると、企業はしだいに時代の先を読めずに衰退する。

とくに製造業においては、価値の高い新商品開発のため時間が必要だ。変動する不動産や株式の時価が経営の数字に影響し、経営者が株価の変動に一喜一憂しなければならないようでは、いい発想も浮かばないし、開発を担当する技術者らへの思いやりも持続できないだろう。

銀行については、はたしてどちらがよいのだろうか。銀行というのは資産と負債が特殊である。預金はいずれ返さなくてはならないから負債であるが、その預金を誰かに貸し付ければ資産になる。

三菱UFJの場合、預金額は121兆で負債全体の66%を占める。わかりやすくするため単純に言えば、この預金から88兆円を貸し付け、40兆円の有価証券を買って資産にしている。

日本会計基準では隠れているが、有価証券40兆円は決算時点で時価38兆6270億円に減っており、現在はその時点よりさらに大きく日経平均が下落しているので、損失は拡大しているだろう。

そもそも銀行は預金という負債を貸し出して金利を稼ぐビジネスである。金利や為替は変化するものであり、製造業とは違う時間感覚が必要だ。そういう意味では時価会計主義でなければならないのかもしれない。

いずれにせよ、日本を代表する銀行の08年3月期決算は黒字でもあり赤字でもあるということを認識しておくことが、今の時代を正確にとらえるために必要だろう。

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